瑞宝太鼓 ~Muse公演「みんな音楽的だ」を開催しました~
真っ暗な舞台の中、突然スポットライトの黄色い光が差し、瑞宝太鼓の演者が1人出てきました。
今からどんな演奏が始まるのでしょう。
固唾を飲んで見守っていると、腕をひらひら波のように動かし、指でいろいろなポーズをとりながら、体全体でリズムをとっています。
演奏ではなく演舞です。音はありません。
さっきからの太鼓のバチからあふれ出た力強い音がまだ私たちの頭に残り、なんとなく、こんな感じのメロディーなのかな、と想像させてくれます。
瑞宝太鼓~Muse「みんな音楽的だ」~
2月23日、日本博のイベントの一環で、シーハット大村にて、ろう者で映画作家として活躍する牧原依里さんの演出による瑞宝太鼓の公演が行われました。
ろう者のオンガクを探求する牧原さんと、瑞宝太鼓の異色のコラボレーションです。
南高愛隣会の利用者さんも鑑賞します。
はじめは、いつもの太鼓の演奏。曲名が字幕で表示されます。
何度聞いてもやはり、芯があって迫力のある演奏です。
ここで音が途中で止むと、映像に切り替わります。
映像では、様々なろう者の方が音楽について語っています。
「心から自然と生まれるもの」
「自分も相手もリズムを楽しむ」
「魂からあふれる気」
大空に両手を広げたり、野原を走り回りながら、自分なりの音楽を表現しています。
映像が終わると、冒頭のシーンです。
演舞が終わると、他のメンバーも舞台に出てきました。
演奏が始まるかと思いきや、音が鳴りません。
まさかのエアー太鼓です。
こんなこともできるんだ。
自分の思っていた演奏という概念が変わりました。
音がないと言えばないですが、体の振動や、シュッと息を吐く音、で太鼓の音を想像させます。彼らの体にしみ込んだ音楽です。
写真を撮ろうとしていた私でしたが、ほんの小さな音も出したくなくて、シャッターを切れずにいました。
演奏が終わると、トークショー。
瑞宝太鼓のメンバーが、公演の感想を語ります。
「普段、バチを持たないで打つことをしていないので筋肉痛になったけれど、公演をすることができて、よかった」
「バチで演奏すると、お客さんの拍手から拍手をもらい、そのおかげで今までは頑張れていた。今回、バチがなかったため、心配だったけれど、それでも演奏ができてよかった」
今回、新たな演奏手法に挑戦した瑞宝太鼓。
大きな経験となり、今後も様々な演奏のカタチが生まれることでしょう。
とても楽しみです!
▼会場にて、コロニーエンタープライズのそうめん、久遠チョコレート、ジェリーズポップコーンを販売し、たくさんのお客様に買っていただきました。ありがとうございました!
▼南高愛隣会の職員で会場の運営を行いました。