私たちの話2022 / 09 / 28

~「アールブリュット・フェスティバル2022」が開催されました~

9月23日(金)~9月25日(日)にかけて、諫早市美術・歴史館において、「アールブリュット・フェスティバル2022」が開催されました!

アールブリュットとは、加工されていない、生(き)のままの芸術」を意味し、美術等の専門的な教育を受けていない人が自発的に生み出した、独創的な芸術作品のことを指します。

日頃からグループホームの休日の余暇活動や、生活介護の日中活動として、絵画や工作などに取り組む南高愛隣会。

雲仙地区を中心に集まった職員(アールブリュットスタッフ)が、キュレーターの真武真希子さんの監修のもと、各専門の方と連携し、準備を始めたのは、今年1月頃から。

そして7月頃からは、長崎県内から応募いただいた作品を審査にかけ、今回、そこで、通った数々の作家の作品、約300点が選出されました。

 

美術館に入ってすぐ、右手のフロア1階でぱっと目に飛び込んでくるのは、真紅のアルミホイルで作られたドラゴンの模型。翼や、ひげも全部アルミホイルでできていて、重なったギザギザが鱗のように見え、迫力を感じます。

その奥に展示されていたのは、「繋がってゆくまち」と題した、細かな鉛筆で描かれたどこかの町の地図。何枚もの紙をつなげて、大きな町全体が表現されています。よく見ると、線路や、電線がしっかりとつながっています。

そのまま階段を上がって2階に行くと、1階に比べて色味の強い、カラフルな作品がずらりと並んでいます。

そこに描かれているのは、バッファローや犬などの動物、自画像、雨、花火など生活の中で身近にあるもの。

例えば、雨を表現した絵では、ピンクや緑など色とりどりの水玉が、画用紙いっぱいに元気よく踊っています。作品をじっと見つめていると、描いた人の感性に出会います。

使っている道具は、画用紙、和紙、アクリル絵の具、色鉛筆など様々。中には、カレンダーの裏に描かれたものも。

訪れた人は、「ここまでの細かさ、緻密さは、(自分には)真似できない。特技を上手く活かしていてすごい」と目を輝かせました。

一方で、準備を進めてきたアールブリュットスタッフは、「大変だったけれど、見に来てくださった方が喜んでくださるので、とても嬉しい」と安堵の表情を浮かべました。

3日間の入場者数は1030人。

盛況のうちに無事終えることができました。

アンケートでは、「こんなに面白くて楽しい展覧会は初めてだった」、「障害の有無関係なしに本当に一人の作家だと思った」など嬉しいお言葉をたくさんいただきました。

今後も芸術・文化が生活に、人生に、浸透していくことを願っております。